インド・ネパールのトイレ事情
こんにちは、アメルカです。
今回は、世界のトイレ事情についてお話ししたいと思います。
日本のトイレのキレイさ、快適さ、素晴らしさは世界が認めるレベルであり、ここまでトイレにこだわっている国は日本以外では見つけることができないのは事実です。
海外に行ったことがある人は全員賛成できると思います。
さて、2019年5月に、アメルカとジャパダム(アメルカの旦那さん)でネパールとインドに行ってきました。
日本のトイレの素晴らしさを改めて実感しました。
ネパールもインドも日本と比べると貧しい国です。
ネパールではヒマラヤ山脈をハイキングし、カトマンズの修道院で瞑想し、インドでタージマハルを見てきました。
合計5週間くらいの旅をしてきたので、色々なトイレがありましたよ。
ネパールもインドも行ってきたから言えることは、
インドと比べると、ネパールのトイレは素晴らしい!!(宗教的な理由が原因と思われます) (インド、ごめんなさい。)
もちろん日本のトイレとは比べられませんが、ネパールのトイレは非常に清潔で使いやすかったトイレが多かったです(私たちの感覚と経験からすると。しかも今回はインドと比べてしまうため)。
*ネパールのトイレ事情(ヒマラヤ山脈、修道院、ホステル)
ネパールのトイレはスクワットトイレ、いわゆる日本の和式トイレと洋式トイレがありました。
ホテルにあるトイレは洋式の便座タイプが多いですが、ヒマラヤ山脈のトレッキング中で泊まった山小屋(ティーハウスと言う)は、ほとんどが和式トイレでした。
水洗できる和式トイレですが、手動で流すスタイルです。
ネパールのトイレの個室には、必ずと言っていいほど水道があり、大きなバケツと手持ち用の小さなカップが置いてあります。
(水が乏しい村では、大きなタンクやバケツに水が汲んで置いてあります)
用を足したら、水道から水を汲むか、バケツに汲んである水を、小さなカップでトイレへ流して、排泄物を流します。
ネパール(カトマンズ)のホテルやホステルのといれはもちろんきれいでした。
トイレットペーパーも1ロールありました。
(日本の1ロールと比べると量は4分の1くらいしかない)
エベレストベースキャンプのトレッキング最中と、カトマンズにある修道院の和式トイレは比較的きれいなものが多かったです。
逆に洋式トイレだとちゃんと水が流れず、便座も汚いことが多かったので、とにかく和式トイレを探して利用しました。
*快適だったネパールのトイレ
(説得力の低い文章ですが、本当に快適だったトイレは多かったんです)
洋式トイレより和式トイレの方が清潔な場合が多く、そのトイレに十分な水があればしっかりと水洗できるので非常に快適なトイレだと感じました。
洋式トイレだとしっかりと水が流れないことがほとんどです(ネパールもインドも)
トイレにある水道から水がずっと出ているトイレ(山からの水が豊富にある村など)は床が常にきれいな状態でした。(水浸しのときもあったけど)
カトマンズにあるホテルやホステルのトイレ(洋式)では、トイレットペーパーは流して大丈夫でした。
トレッキング中や修道院(カトマンズ)の和式トイレ・洋式トイレではトイレットペーパーを流してはいけないことがほとんどだったため、トイレに置いてあるゴミ箱の中へ使った紙を入れました。
(ジャパダムはこのスタイルが好きではない。私は、トイレが詰まってしまうよりかはマシなので、ゴミ箱スタイルが好きです。清潔ではないけどね)
上の写真は、エベレストベースキャンプのトレッキング途中にあったトイレです。このトイレは臭いもなく、清潔で快適なトイレでした。
右側に水道の蛇口があります。青いバケツの中に水が汲んであり、そこに小さいカップが浮いています。それを使って流します。
また、ネパールは人口の大部分の人がヒンドゥー教を信仰しています。
しかし、ヒンドゥー教以外にもネパールには、仏教やキリスト教などさまざまな宗教を信仰する人がいます。
仏教の人にとっては、左手は不浄ではないし、トイレの掃除などもインドに比べて抵抗がないのではないか、と感じました。(もちろんトイレ掃除をするのは掃除担当の仕事をする人ですが。)
ネパールは、トイレもキレイだし(インドと比べて)、ヒマラヤ山脈のお陰で、キレイな水が豊富にあります。
ネパールの修道院では、日本みたいにお坊さんが掃除をする、ということもあまり見受けられませんでした。
また、インドではトイレ自体も「不浄」とされるので、トイレ掃除などの仕事は、カースト制度に地位のある人たちは行いません。ヒンドゥー教では、カースト制度にすら入れてもらえない、人間として認めてもらえない立場の人々がトイレ掃除を行わなければならないのです。
*苦手だったネパールのトイレ
トレッキング中にはもちろん便座が壊れて外してあるトイレ、つまり洋式便器もありました。
1番辛かったトイレは、小さな木の小屋のトイレで、便器なし。
便器もなにも、床に穴があってみんなのウ〇チが丸見えのトイレです。
視覚にも、嗅覚にも強烈で、踏ん張っている最中に何度も吐くかと思いました。
でも、すでに標高が高い場所でのトイレだったので、酸素が薄くて酸欠状態。
踏ん張ると息がつまり、深呼吸したくても臭いがキツ過ぎて吐き気が…。
負のサイクルです。
踏ん張り始めてしまっているので、途中でやめるわけにもいかないし。
水洗トイレでもなく、トイレ小屋の中に木の葉のクズみたいなのが所せましと積み上げてあり、おそらく手か足でそれを自分のしたやつにかぶせて使うのです。
このタイプのトイレはトレッキング中、2か所くらい利用する機会がありました。
蚊やハエがいっぱい飛んでるし、お尻を刺されるのでは?という気持ちから、集中できないので、私には合いませんでした。
しかし!!ネパールのトレッキング中のトイレのおかげで、人の「モノ」を見るのに慣れました。(この経験がインドで非常に役に立った!!)
って、こんな例を出していたら「ネパールのトイレがすばらしかった!」なんて説得力がなくなりますね。
*インドのよかったトイレ
・ニューデリーの空港のトイレ
(海外のきれいなトイレでした。女の人が常に掃除して働いていたし、トイレットペーパーも石けんも手拭きペーパーもあった。)
・高級デパートのトイレ
空港のトイレと同じ。
*インドのホステルのトイレ…
私たちが滞在したホステルは格安で、一応治安も大丈夫そうな場所でした。
それぞれのホステルには、各部屋にトイレとシャワーがあり、トイレは洋式トイレで便座もありました。
インドは毎日最高気温が42℃~45℃で、夜も30℃を超えています。
とにかく、インドのトイレが暑い!!
風通しも換気扇もないので、トイレに座っているだけで、汗が吹き出し汗だくになりました。
あと、水洗式トイレだったので、レバーを引けば水が流れたのですが・・・
水の流れ方がおかしい!!
ウンチをしたあとにレバーを引いて水を流しますが、水の流れのまん中に流れが生じず、ウンチがくるくると留まりながら浮いているのです。
何度レバーを引いてもウンチは流れていきません。
時間をおいて再度挑戦!
おおぉ!!流れた!!と感動して見ていたら、流れたあとに1つか2つ小さいウンチが戻って出てくるのです。
日本の洋式トイレと同じように水が出て流れるのですが、実際はそう見えるだけです。
ネパール・インドでは、食べ物が原因で通常と比べるとめちゃめちゃ柔便になります。
もう、見た目がグロテスクすぎて・・・。(食事中の方、ごめんなさい)
あまりにも毎回流れないので、いつもアメルカとジャパダムのコラボレーションでした。(ウンチまで仲良しか!)
お互い便器の中は見ないように視線をそらして過ごしましたが、私は自己健康管理のために、どのくらいの量が出たか、どんなタイプのものだったかを知りたかったので、コラボレーションは困りました。
*インドのやば~いトイレ事情
インドではヒンドゥー教を信仰する人が非常に多く、今でもインドの各地でカースト制度が見受けられました。
カースト制度はヒンドゥー教を広めるために行われている身分によって階級を決める制度であり、1950年の法律上禁止以降も今なお根深く残っている社会問題です。
「アウトカースト」と呼ばれる、階級に属さない人たちもいて、不可触民=穢(けが)れのある人とされ、今なおカースト制度に属する人たちから差別や迫害を受けています。
ヒンドゥー教では「トイレ」も不浄とされ、非常に嫌われるもので、家を建てる際も司祭から「家にトイレを作らない方がいい」とアドバイスを受けることもあるほどです。
家にないのなら、もちろん公共のトイレもありません。
「え?家にないから公共トイレがあるんじゃないの?」ってなりますよね。
ないんですよ、インドにはトイレがありません。
お金持ちの裕福な人の家にもわざと設置してないこともあるそうで・・・
どうすんの?! って、そうです、外でするんですよ。
大人も女性も子どももお年寄りも、多くの人が外で用を足します。
オシッコもウンチも、です。
このトイレ(不足)問題のせいで、インドでのレイプが助長されるのです。
レイプ大国インド。
外でお尻を出して用を足していて、たまたま誰かに見つかってしまったら、確実にレイプされます。
ひどい時には警官まで参加して、複数から暴行を受け、そのまま殺されたり焼かれたりしてしまいます。
女性たちはなるべく昼間を避け、暗くて見えづらい夜にトイレに行くようですが、夜は夜で野良犬や毒蛇にかみつかれるリスクが非常に高いのです。
インドでは女性の地位が信じられないほど低いため、女性のための快適なトイレなどないのです。
また、インドもネパールも「生理」を嫌います(ヒンドゥー教)。
ネパールでは生理中の女性は(子どもも)離れ小屋に隔離され、人との接触ができなくなります。
ネパール人女性の死亡ニュースがあとをたちません。
十分な食事が与えられなかったり、冬場に暖を取ろうとして焚き火の煙で亡くなった女性や不運にも火事になってしまったり、不衛生な場所のため病気にかかって死んでしまうケースもあります。
この習慣は「チャウパディ」と言われネパールで行われます。
生理中の女性や出産後の女性は家から離れた小屋で生活させられ、男性とも接触できません。
現在では、相次ぐ死亡事故からチャウパディの習慣はネパールで禁止にされましたが、今なお、田舎の小さな村では続いている習慣です。
チャウパディの習慣はヒンドゥー教による古くからのもので、生理中の女性が家にいると神様が不快な思いをし、人や家畜などに不幸をもたらすから、生理中(地域によっては出産後も)は離れた小屋に隔離しよう、という考えからくるものです。
私はチャウパディに反対です。
生理は生命の営みであり、自然な現象です。
チャウパディで命を落としていく女性たちが少しでも多く救われることを願います。
*インド・ネパールの生理ナプキン事情
日本では生理用ナプキンは10個~20個も入って、1パック大体300円前後で購入できます。
コンビニでも買えますし、気のきいた居酒屋だとトイレに「ご自由にお使いください」とナプキンが置いてあります。
男性にはほぼ関係のないことなので、生理に関する理解は浅いかもしれませんが、知っておくと女性への理解が深まるでしょう。
生理用品にかかる日本人女性一人あたりの一生分の費用は50万前後と言われます。(生理ナプキンやタンポン、ショーツなど)
生理痛のひどい人は薬代もかかりますし、病院に通う場合はもっと費用がかかります。
インドやネパールでは生理用品が非常に高額で、ほとんどの女性はナプキンやタンポンを買えません(経済的理由から)。
彼女たちは布などを使って生理に対応しているようですが、インドではその布を洗うためのきれいで清潔な水を確保するのも難しいため、布は非常に不衛生で、その布が原因で病気にかかり、命を落とすインド人女性の数は非常に多いのが現状です。
また、生理で使う布を洗って、天日干ししてはいけません。
「生理」は悪いものなので、太陽の下(神様)に見せてはいけない、と言うのです。
陰干し何てちゃんと乾かないし不衛生のままです。
こういう考え方や風習によって、女性にとって「生理=恥ずかしいもの」となってしまう原因になるのです。
日本でも、私が子どもの頃だったころはナプキンのコマーシャルは今のように多くはありませんでした。
以前に比べると、ここ10年ほどでテレビコマーシャルで生理用品のものをかなり宣伝するようになり、日本人が生理に対してオープンに、ポジティブになったように感じています。
インドでは1パックの生理ナプキンが日本円で150円ほどで売っていますが、インドの物価から考えて計算すると、日本のナプキンの3~4倍の1パック1,000円以上という価格になります。(インドの1パックに何個のナプキンが入っているか分かりませんが、日本より絶対に少ない)
生理中はとにかくナプキンを大量に使うので、もし日本でも1パック1,000円以上もしていたらお金が足りなくなります。
さらに!インドでは生理がタブーなので、お店で生理用品を買う祭も非常に嫌な目で見られたり嫌な態度を取られたりするようです。
女性としては本当に嫌ですね。
インドと比べると、ネパールには仏教の人もいるし、カースト制度がないため、インドよりかは生理事情がマシな気がします。(チャウパディはヤバイけど)
『パッドマン 5億人の女性を救った男』という映画が2018年に公開されました。
私はまだ観れていないのですが、インドで妻のために安価なナプキンを開発することに奮闘し、インドの多くの女性を救った、1人のインド人男性の実話です。
私も早く観たい!
*ネパール・インドのトイレットペーパーについて
また、ネパールもインドも、人々は貧しく、トイレットペーパーを買う十分なお金がないため、ウンチの後はカップを使って、手でウォシュレットをするようです。
トイレットペーパーは置いてないものだと思いましょう。
ネパールもインドも、トイレットペーパーの値段が日本よりはるかに高くて、彼らの収入に対して買えない金額です。
(毎日使うものなのでトイレットペーパーを十分に買い続ける経済的余裕はない)
未だにトイレットペーパーを使って生活している人は少ないのが現状です。
トイレットペーパーがないので、用を足したあとは、右手で小さなカップを持って、水をお尻にかけて、左手でお尻を拭きます。(オシッコのときはどうするんだろう??)
だから、ヒンドゥー教では左手はお尻を拭くから「不浄」とされるんですね。
知らなかった!
って、日本人の感覚からすると、左手でお尻を拭くけど、トイレットペーパーも使うし、そのあと石けんで手も洗うし、そこまで汚い、汚いって言うレベルでもないも思うけど…って思っていたので、日本人の常識と世界の常識が全く違うことに気づきました。
また、インドにたくさんいるヒンドゥー教の人たち。ネパールにもヒンドゥー教の人はたくさんいますが、彼ら(ヒンドゥー教)は日本人のようにお箸を使ってご飯は食べません。
インド人をイメージしてもらえば分かりやすいかも。
彼らって、カレーとかを右手で食べていますよね。
日本人はお箸やスプーンやフォークを当たり前のように使うので、直接食べ物に手は触れません。
それでも、日本人は、手をしっかり洗い、おしぼりで手を拭き、除菌シートまで使います。
インドでは、「食べる前に手を洗う」という習慣がありません。
というか、そもそも手を洗うという習慣がない。
一応、水の入ったツボみたいなのがあって、手をキレイにするらしいのですが、そのあとはサリーのすそでササット拭きます。
てか、絶対そのツボに溜まってる水、めっちゃ汚いから。
だったらむしろ洗わない方がキレイなのかも。
でも彼らは普段衛生面の良くない生活環境下で暮らしているし、文化も歴史も価値観も全く違うので、いろいろな意味で私たちと比べて菌への抗体が強いのです。
しかもインドは水不足だから、少しの水も貴重。
といっても、日本人と彼らの「キレイ、汚い」の認識の違いは、文化の違いなので、日本人が汚いと思っても、彼らにとってはキレイだろうし、彼らにとっては左手が不浄なのは揺るぎないもの。
めっちゃ石けんで洗って、消毒までした左手でも、「左手」というだけで不浄なのです。
とにかく、ヒンドゥー教では左手は不浄。
キレイとか、清潔とか関係なく、左手は不浄なのだーーー!!ここが、無宗教(だと思っている)日本人には理解しがたい点なのです。
しかし、どちらもトイレットペーパーは置いてないので、日本から持参するか、現地で調達するしかないです。
もちろん、現地の人を真似して水で手動ウォシュレットでもいいですよ!
郷に従え、です。
私は手動ウォシュレットの勇気が出ませんでしたが…。
日本はいろいろな面で恵まれています。
トイレにしろ、生理用品にしろ、女性の立場も昔よりかは変わってきているし、きれいで安全な水がいつでも大量に手に入ります。
ぜいたくですね。